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戦略論

■戦略の分類

■企業戦略

企業の全体的な戦略内容を決めるものであり、経営環境の分析による事業領域の策定と成長戦略の策定、事業戦略機能戦略といった階層別戦略の設計など、全ての戦略要素が含まれる。
事業戦略とは、選択と集中を意味し、経営資源を投入すべき、領域と捨てるべき領域を明確にする事を意味している。
機能戦略とは、生産や販売といった、オペレーション(運営)レベルの戦略である。

■事業領域の決定

外部の経営環境や内部の経営資源の分析から、自社の事業領域を決定する。企業は外部環境に対して内部資源を展開する事で収益を確保する。事業領域を明確にした上で、核戦略を策定する。

■成長戦略

経営環境の分析によって規定された事業領域において、どのような事業構造をとって、どのような事業を選択し、どのように事業を推進していくかといった方法論を決定するものである。複数の事業間のシナジー(相乗効果)が重要となる。

■資源配分

4~5年で新規事業を立ち上げてきているので、成長した事業から得たキャッシュをこれからの事業に投入しなければ、計画的に新規事業を立ち上げる事は出来ない。競争戦略とも関連するものである。

■競争戦略(事業戦略)

成長戦略によって選択された事業には、競争相手が存在する。独占禁止法があり、恣意的な独占は、ありえないからである。業界内での競争優位確立のための経営戦略を競争戦略という。

■機能戦略

具体的な販売(マーケティング)や生産(プロダクション)の具体的な内容を意思決定するものである。

■事業領域の決定

■経営理念と社会的責任

戦略立案において、経営理念と社会的責任は第一前提となる重要なものである。これらの要素により、その企業の経営戦略の方向と範囲が、経営の価値という側面から規定されることになる。

■ドメイン

ドメインとは、企業の事業領域であり、経営資源を展開する土俵である。また、企業のアイデンティティでもある。ドメインは、企業を取り巻く環境分析と企業の資源分析によって決定される。
ドメインは、「だれに(市場または顧客)」「何を(機能・製品)」「どのように(技術・手段)」の3次元で定義され、これら3つのどれかを変更する事が企業にとっては、戦略変更となる。

■ドメインコンセンサス

ドメインに関する同意、つまり企業の利害関係者が受け入れるドメインの具体的範囲や内容の事である。

■ドメインコンセンサスのメリット

ア) 企業の向かうべき方向性の焦点が定まり、企業や組織全体としての一体感が醸成できる。
イ) 企業への帰属意識や事業への参画意識が高まり、従業員のモラルアップに繋がる。
ウ) 自社の戦略実行に関して必要となる情報とそうでない情報とのスクリーニングが可能となる。
エ) 組織成員の限られた合理性の範囲が定まり、意思決定の精度と迅速性が高まる。
オ) 外部に対して、自社の位置づけや方向性を理解してもらいやすくなり協力を得やすい。

■環境分析と資源分析

企業が直面している外部環境を分析する事を環境分析といい、企業の内部経営資源を分析する事を資源分析という。
企業は内部経営資源の範囲でしか事業活動を展開出来ないので外部環境と内部経営資源のフィッティングから、その企業の事業領域、すなわちドメインが導かれる。

  • ア)経営資源
    企業が事業活動に活用できる全ての要素。
    有形資源 ヒト、モノ、カネといった物的経営資源
    無形資源 情報、技術、知識、ノウハウ、ブランドと言った情報的経営資源。ソフトな経営資源
    このような、経営資源を経営戦略的にとらえると「汎用性と異質性の程度」と「可変性と固定性の程度」という、2つの切り口で表わされる。異質性が高く固定性の高い資源を、情報的経営資源または、ソフトな経営資源といい、企業の中核能力(コア・コンピタンス)の源泉となる。
  • イ)SWOT分析
    企業の内部資源は、保有経営資源における強み(Strengths)と弱み(Weakness)として、外部環境は事業上の機会(Opportunity)と脅威(Threat)として表現される。
    (例)
    強み(S) 原価原理の仕組みが整備されており、利益率が高い。
    弱み(W) 量産整備が無いので、高コストである。
    機会(O) 環境問題への機運の高まりから省エネ製品が伸びている。
    脅威(T) 原油価格の高騰から樹脂原料の価格が上昇している。

■成長戦略

■成長ベクトル論

戦略を実行可能なものにする為には、企業戦略によって意思決定された事業を、どのような方向性や手段によって成長させるか意思決定する。事業の成長を製品と市場の組み合わせ方で考える理論がアンゾフの成長ベクトル論である。

市場浸透戦略:既存市場と既存製品の枠内で、シェアを高めようとする戦略。販売経路の整備や販売促進の強化などにより、(ア)既存顧客の購入量と購入頻度を高める。(イ)競争相手の顧客を奪う。(ウ)現在製品を購入していない既存市場内の人を顧客として取込むといったものである。
市場が拡大傾向にある場合に有効。

新市場開拓戦略:既存製品を新たに開拓した市場に投入する戦略。(ア)国内から海外へ市場を拡大する。(イ)既存製品を手直しして新規市場に投入する。
製品が他社製品に対して差別化されている事が有効。

新製品開発戦略:既存の市場に新たに開発した製品を投入する戦略。(ア)既存製品と異なる仕様とする。(イ)既存製品に追加機能を付加する。
短期間で大きな需要拡大は困難であるが、継続的に行われれば安定的な市場占有率と収益が期待できる。

多角化戦略:新製品を新規市場に投入する戦略。未経験の領域なのでリスクは大きい。しかし、成功した場合企業にとって新規事業となるのでリターンも大きい。市場が成熟化し市場ニーズが多様化している現状では有効な戦略。

■多角化戦略

■多角化戦略の分類

①資源の共有の度合いによる分類

関連型多角化:企業を構成している各事業が、研究開発や生産・流通・販売・管理といった企業の機能の多くを共有しているような場合。つまり、事業間で経営資源の移転が比較的行いやすい多角化である。
非関連型多角化:企業を構成している各事業間に、トップマネジメントレベルの経営管理能力や財務的な資源以外はあまり関連がない様な場合、能力や財務的な資源以外は、あまり関連がない様な場合。つまり、事業間で経営資源の移転が行いにくい多角化である。

②製品分野間の比率の違いによる分類

垂直統合型多角化:製品分野が、原料や素材から部品や最終製品まで、密接に繋がっているものであり、垂直統合戦略と呼ぶ。
本業中心型多角化:本業と呼ばれる事業を持ち、本業以外の分野について多少の多角化を行っているもの。本郷に対して多角化事業の収益への寄与割合が少ない。
関連分野型多角化:収益の比率や寄与度でみて本業と呼ぶべき主たる事業を持たないものの、多角化を展開している全ての事業が互いに何らかの関連性を持っている多角化。
非関連分野型多角化:事業上の関連性の深い分野をすべて合算しても、企業全体の事業規模に比較してその比率がそれほど高くないような多角化。

③製品分野間の関係性による分類

集約型多角化:多角化を展開している事業間に密接な関係が存在し、かつ少ない種類の経営資源が殆どの事業で共有しているような多角化。
拡散型多角化:既存の経営資源を利用して一つの新分野Aに進出し、その新分野Aで新たに構築された経営資源を利用してさらに次の新事業Bに進出するといった多角化。

■企業が多角化戦略を行う理由

①適正バランスによる収益の安定
事業や製品にはライフサイクルがあり、いずれ衰退する事になる。企業は絶えず新規事業を展開し、次の基幹事業を育てなければならない。次の基幹事業として、多角化戦略が選択される。

②リスク分散
企業が単一事業に依存している場合、ライフサイクルによる衰退のリスクをまともに受ける事になる。単一事業のリスクを回避し分散する為。

③未利用資源の有効活用
企業は、既存事業を展開する事で、ノウハウの蓄積による業務の効率化や新たな生産技術の開発、不採算事業等からの撤退などによって、資本・設備・人員などに未利用資源が蓄積されていく。これらの未利用資源の有効活用の為に、多角化戦略が有効になる。

④範囲の経済
複数の事業を同一の企業が営むとそれらを複数の単独企業で営むより効率的になる事を範囲の経済という。範囲の経済は、情報的経営資源に依るところが大きい。情報とは、何度も使用でき、異種のものを持つ方が価値があり、日常業務を通して自然と蓄積されるという特性を有している。

■多角化の展開方式

①研究開発
製品や技術、市場等を自社内部で研究開発する事で、事業を立ち上げる。人材力向上等の経営資源が強化できるが、事業化までに時間がかかる。

②連携・共同化
自社が保有しない経営資源や事業領域について、人材や販売、生産面での連携や資本出資によって合弁会社を設立したり事業協同組合によって事業を展開するものである。

③スピンアウト(会社分割)
自社内の組織を会社として社外に独立させ、その会社に多角化の対象となる事業を行わせるものである。

④M&A
多角化の対象となる事業を直接買収して展開する方法である。M&Aは、「時間を買う」という側面がある。
・吸収合併
・吸収分割
・株式交換
・事業譲渡
・テイク・オーバー・ビット(TOB)
・レバレッジド・バイ・アウト(LOB)
・マネジメント・バイ・アウト(MBO)

■多角化戦略の留意点

①ドメインの明確化
短期的なドメインの拡張であり、常にドメインコンセンサスを明確にしつつ、自社の事業領域や事業構造の拡散を防止しなければならない。

②シナジーの活用
シナジーが得られるかどうか判断する。シナジーの発揮によって経営効率が高まる。

③経営資源の充実
人的・物的資源を多角化に対応出来るように整備しておく必要がある。吸収合併の場合などは、異なる組織風土が衝突する事もある。

■成長戦略におけるシナジー

経営資源の共有化とは、異なる事業の製品を同じ設備で生産したり同じ流通経路で販売したりする事である。このような経営資源の共有や補完の事をシナジーという。

①販売シナジー
流通経路、販売組織、販売促進、ブランドを共通して利用する事によって生まれるシナジー。

②生産シナジー
共通の原材料や部品の利用や生産人員等の共通利用、生産技術や生産管理のベースを共通化する事によって得られるシナジー

③投資シナジー
生産設備等の共通利用による設備投資の節約、類似分野における研究開発自体等によって得られるシナジー。

④管理シナジー
過去に経験した管理活動における諸問題の解決などのノウハウなど他の事業にも活用する事によって得られるシナジー。

■撤退戦略

不採算事業を継続する事は企業成長に対してマイナス要因である。また、不採算事業に投入されている経営資源を成長の見込める他の事業に投入する事で、多角化戦略を展開する事も出来る。

■撤退戦略をとる理由

ライフサイクルの衰退期にはいり、採算が悪化している。
経営資源に限界があり、拡大均衡が図れない。

撤退戦略が遅れる理由
・経営者のメンツ
 大々的に発表している場合、経営者のメンツが邪魔をしてしまう。
・集団的意思決定
 稟議制度は集団的意思決定なので、登場人物が多く迅速な意思決定が
 できない。
・下請けなどの分業構造
 下請け企業などの利害関係者の調整に時間を要し遅れる。
・地域雇用等の地域経済への影響
 地方都市に立地している企業では、地元の雇用が失われてしまう。
 よってい経営者としても撤退の意思決定が行いにくい。

■資源配分

■事業ミックスとは

複数の事業を営んでいる企業にとっては、経営資源を複数の事業にいかにして配分するかという事が経営戦略上重要である。
資金を生み出す事業と資金を必要とする事業とのバランスが必要であり、これから黒字になる様な「健全な赤字部門」がなければ、新規事業を生み出していく事は出来ない。
この様な事業間の資源配分をポートフォリオ・マネジメントという。ポートフォリオ・マネジメントには、PPM分析とビジネススクリーンがある。

■PPM分析

①プロダクトサイクル論
どのような事業でも、市場に投入され(導入期)、需要が拡大し(成長期)、需要が飽和し(成熟期)、需要が減退し(衰退期)、市場から姿を消す。これをプロダクトライフサイクル論という。
プロダクトライフサイクル論によれば、事業のライフサイクルの段階によって、資金を投入したり資金を回収する事になる。

②経験曲線効果
ある製品について、その累積生産量が大きくなるほど、その製品の単位当たりコストが低減するというもの。これは、規模の経済とは異なり、経験による習熟効果、作業方法の改善、標準化の整備等が複合して生じるものである。

■PPMマトリクス

PPM

相対的市場シェア
市場シェアが高い方が累積生産量は多くなる。累積生産量が多いという事は、経験曲線効果によって製品の単位当たりのコストが低くなり、大きな収益や資金を獲得する事が出来る。

市場占有率
事業の市場が、どの程度で成長しているかを表すものである。プロダクトライフサイクルの早い段階では、成長率が高く遅い段階では低くなる。さらに、市場成長率が高いほどシェアを維持する為の資源投入が必要である。

金のなる木 相対的市場シェアが高く、市場成長率が低い。資金の流入が大きく、流出が少ない。大きな資金が得られる。
花形製品 相対的市場シェア、市場成長率共に高い。資金流入が大きい分、流出も大きい。あまり資金を生み出さない。
問題児 相対的市場シェアが小さいので資金流入は少ない。市場成長率が高い事から資金流出も大きい。大きな資金需要が発生する。
負け犬 相対的市場シェア、市場成長率共に低い。資金の流入、流出どちらとも小さい。

■PPM分析による事業ミックス

PPM分析による事業ミックスは、それぞれの事業が各象限のどこに位置するかによって、次の様に意思決定される。

①金のなる木
大きな資金流入源なので資金回収に重点を置く。また、市場成長率が低いので資金投入は最小限に抑制する。ここで得た資金を問題児や次の研究開発費に充てる。

②花形製品
最低でも現在のマーケットシェアを維持し金のなる木から資金配分によって出来るだけマーケットシェアを高める。やがて金のなる木になる様資金配分する。

③問題児
資金を投入するかどうか充分検討する。すべての問題児が花形製品になるとは、限らないので明確に区別する。

④負け犬
資金を生み出さないので撤退戦略の対象となる。

以上の内容を拡大・維持・収穫・撤退という切り口で見る。

■競争戦略

これまでの成長戦略や資源配分は、同業他社との競争をほとんど考慮せず、企業単独での成長の枠組みを考えるものであった。ここでは、企業戦略面における競争構造について考える。

■競争戦略の前提となる市場

企業は自社の独自性を発揮して製品を展開する一方で、これらの製品を受け入れる顧客が存在し、そこに市場が形成される。

■戦略グループ

戦略を展開する企業にとって、業界と市場とは異なる。一つの業界の中に異なる市場を対象としたいくつかの企業グループが存在するが、このような企業グループを戦略グループという。

■競争行動の内容

戦略グループや企業間の違い

製品 品質、仕様、ブランド、アフターサービスの違い
価格 低価格か高価格かの違い
流通経路 直販か店舗販売かの違い。店舗なら一般量販店か専門店か。
宣伝 TVコマーシャルか展示会での訴求かの違い。

■参入障壁と移動障壁

個々の企業は、自社の属する戦略グループに他社が参入してくる事を想定しなければならない。参入が起こりにくい戦略グループは、潜在的に高い収益性を維持し続ける事が出来る。
業界の外から参入する困難さを参入障壁、同一業界内の戦略グループからの参入の困難さを移動障壁という。

移動障壁の種類
 ①経済的要因による移動障壁
  ・製品ラインの広さ
  ・垂直統合
 ②組織的要因による移動障壁
 ③戦略的要因による移動障壁

■デファクトスタンダード

デファクトスタンダードとは、事実上の業界標準のことをいう。業界標準とは、「多くのユーザーを獲得しているか、または獲得する可能性が高い製品やその規格」の事である。
これに対し、公的機関が定める事をデジュアスタンダードという。

デファクトスタンダードが競争優位の源泉になるのは、ネットワーク外部性が働くからである。ネットワーク外部性とは、「製品から得られるメリットがその製品のユーザーが増えるほど増大する事」である。

直接効果:その製品を持つ人が増えるほど、利便性が増すというもの。
間接効果:その製品の補完財が持つ効果である。家庭用ビデオのVHS陣営など。

■デファクトスタンダードの確立手法

デファクトスタンダードを確立するには、いかにしてネットワーク外部性を働かせて、早期に多くのユーザーを取込むかが重要となる。

クローズド・ポリシー
自社の技術を公開せず、他社の模倣を防ぎながら早期に市場を支配するという考え方である。特許化し、独占権による市場支配などが有効。特許等以外では、略奪的価格政策が考えられるが、内容によっては独禁法で問題となる場合がある。
オープン・ポリシー
自社の技術を公開し、互換性の高い製品を相互に供給して早期に市場を支配するという考え方である。護送団方式であるといえる。
OEM生産の実施や補完財の供給環境の整備などが考えられる。

■競争地位別戦略

■競争地位

リーダー 業界シェア1位の企業
チャレンジャー 業界シェア2位の企業
フォロワー 業界シェア3位もしくはそれ以下の企業
ニッチャー 業界シェアは小さいが特定の市場に集中的に戦略を展開する企業
リーダー
最大のシェア、名声を維持する為の戦略となる為、市場内のすべてに対応する全方位型の戦略となる。周辺需要の拡大、非価格化競争、同質化対応等である。ターゲットは全ての顧客を対象とするフルカバレッジとなる。
チャレンジャー
リーダーに追いつく事を目的とする為、リーダーとの差別化が基本となる。リーダー企業に比べて経営資源の質的な面で劣るので、ターゲットはセミフルカバレッジとなる。
フォロワー
リーダー企業ほどの経営資源を保有していない為、着実に利益を確保する為に模倣的な戦略が基本となる。リーダー企業が非価格競争するのでフォロワーは、低価格志向の戦略を展開する。
ニッチャー
この地位の企業は、シェアの獲得が目的ではないので、限られた特定市場の中で利益と名声、企業イメージの確立を目指す。従って対象市場の中でリーダー企業の3つの戦略を採用する。

■ポーターの競争戦略

■ファイブフォース

ポーターは、競争戦略を決定する要因を、①個々の企業同士の関係や行動、②業界構造の在り方、③業界に作用する外からの圧力、の3つとしつつ、②の「業界構造の在り方」が最も重要であると説いている。この業界構造の在り方は、ファイブフォース分析として定義されている。
ファイブフォース(5つの要因)がどう作用するかによって、業界の競争状態と魅力度(投資収益率)が変わるのである。

新規参入業者 参入障壁の程度によって表わす事が出来る。参入障壁が高いほど脅威は低くなる。
業界内の競争 業界内の競争関係や企業間の対立関係を分析するものである。業界内での企業間の対立が激しくなると、当然に利益の低下につながる。
代替品の脅威 固定電話と携帯電話のように、既存製品と同じ機能をもつ別カテゴリー製品が競争要因になるというものである。
買い手の交渉力 自社と顧客との関係性を分析するものである。買い手側が強い立場であると値下げ圧力につながり、業界の魅力度が低下する。
売り手の交渉力 自社と仕入先との関係性を分析するものである。売り手側が強い立場であると値上げ圧力につながり、業界の魅力度が低下する。

以上の様な5つの要因(ファイブフォース)を分析する事で業界内の自社のポジションと魅力度が明確になる。業界の魅力度とは、自社とファイブフォースとの相対的な関数で決まる事となる。
ファイブフォースに対して自社が相対的に優位になる為には、自社の内部資源の分析しなければならない。

■価値連鎖(バリューチェーンモデル)

ポーターは、「企業が提供する製品やサービスは、原材料から完成品まで、取引される連鎖に沿って価値が付加される」と説いた。1つの企業内と流通経路全体のどちらにも適用できる考え方である。また、この連鎖は、購買や製造・販売と言った企業の諸機能であり、企業の内部資源に相当する。

①価値連鎖の構成要素
価値連鎖は、医業や流通経路の諸機能であるが、主要活動と主要活動をサポートする支援活動によって構成される。
主要活動 製品を顧客に提供するための直接活動である。アフターサービスも含まれる。
支援活動 主要活動を円滑に進める為の経営資源等を提供、コントロールする活動である。
②価値連鎖の目的と効果
価値連鎖とは、市場に製品を供給するすべての活動を連続的に繋がった活動の連鎖としてとらえ、部分最適ではなく全体最適を図る考え方であり、複数企業による垂直統合、企業間の戦略的連携、製販同盟、情報システムによって統合されたサプライチェーン・マネジメントなどへと多方面に展開されている。

■ポーターの3つの基本戦略

ファイブフォースと価値連鎖の分析により、企業は自社の業界内での優位なポジションを構築しようとする。これらの分析の結果として、以下の3つの基本戦略を取る。

コストリーダーシップ戦略 コスト優位によって利益率を高めようとする戦略
差別化戦略 主要活動を円滑に進める為の経営資源等を提供、コントロールする活動である。
集中化戦略 狭いターゲットにおいて、自社の強みを発揮する事で利益率を高めようとする戦略

「競争優位を構築する」とは、業界や戦略グループの平均的な利益水準(資本利益率)を上回る事である。他社よりも利益率を高めるためには、「同じ売価であればコストを引き下げる」「同じコストであれば売価を引き上げる」が基本となる。前者がコストリーダーシップ戦略、後者が差別化戦略である。
さらに、狭い市場ターゲットでコストを引き下げる場合がコスト集中戦略、売価を引き上げる場合が差別化集中戦略である。


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