ハードウェア
■コンピュータの機能と処理
■コンピュータの5大機能
①制御機能 |
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制御機能は、ほかの4つの装置の動作をコントロールする。これを担う装置は、CPUである。 | ②入力機能 |
入力機能を持つ装置で入力されたデータが、主記憶装置に記憶される。あるいは、補助記憶装置に記憶されているデータが主記憶装置に読み込まれる。 | ③演算機能 |
主記憶装置に記憶されているデータが演算機能を持つCPUに読み込まれ、処理(演算)される。 | ④記憶機能 |
処理結果が主記憶装置に書き込まれる。 | ⑤出力機能 |
主記憶装置に記憶されているデータが出力機能を持つ装置で出力される。補助記憶装置に書き込まれる。 |
■演算・制御機能を担う装置
演算とは、四則演算や論理演算を行う事である。論理演算には、論理積(AND)や論理和(OR)などがある。また、制御とは、演算、記憶、入力、出力の各装置が正常に動作するための指示を出す事である。
■記憶装置を担う装置
①主な内部記憶装置
ア)レジスタ |
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レジスタとは、CPU内部にある演算や実行状況の保持に用いる記憶装置である。動作が極めて高速だが容量が非常に足りない。 |
イ)キャッシュメモリ |
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CPUの内部に設けられた高速な記憶装置である。使用頻度の高いデータを蓄積しておく事により、記憶装置(メインメモリ)からの読み込み回数を減らし、処理を高速化出来る。 |
ウ)主記憶装置(メインメモリ) |
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CPUが直接アクセスする事のできる記憶装置である。入力装置から入力されたデータや外部記憶装置から読み込まれたデータ、出力装置に出力されるデータは、必ず一度主記憶装置に読み込まれる。なお、ディスプレイ画面表示用のデータは、メインメモリから切り離してVRAMという記憶装置に記憶される事が多い。 |
②主な外部記憶装置
ア)ハードディスク |
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磁性体を塗布または、蒸着した金属のディスクを一定の間隔で何枚も重ね合わせた構造になっており、これをモーターで高速に回転させて磁気ヘッドを近づけてデータを読み書きする記憶装置である。ディスク1枚の事をプラッタという。プラッタの記憶領域は、同心円のトラックに分かれ、トラックは更にセクタという単位に区分される。また、各ディスクの同じ同心円上にあるトラックを仮想的にまとめた円筒状のものをシリンダと呼ぶ。 |
イ)CD |
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ディスクの表面にレーザー光を照射し、その反射光を検出してデータを読み出す。読み出し専用のCD-ROM、一度だけ書き込めるCD-R、複数回書き込めるCD-RWがある。容量は最大700MB。 |
ウ)DVD |
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CDとほぼ同じ原理だがデータの記憶密度が高い。読み出し専用のDVD-ROM。一度だけ書き込めるDVD-R、DVD+R、複数回書き込めるDVD-RW、DVD+RW、DVD-RAMの6種類がある。DVD-Rでは、4.7GB。 |
エ)MO |
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磁気記憶方式に光学技術を併用した書き換え可能な記憶媒体の事。128MB~2.3GBが主流である。 |
オ)USBメモリ |
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フラッシュメモリとUSBポートを一体化したもの。容量は1GB~が主流であるが、急速に大容量化が進んでおり、手軽なデータ交換メディアとして普及してしている。 |
③情報素子の種類
ア)RAM |
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半導体素子を利用した記憶装置である。データの読み書きを電気的に行う為、動作が高速でCPUから直接アクセスできるが、単位容量当たりの価格が高い為大量には使用できない。また、電源を切ると情報が消える揮発性という性質がある。RAMはDRAMとSRAMに大別される。 |
イ)ROM |
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読み出しは出来るが、書き込みは出来ない素子の事。電源を切っても情報が消えない非揮発性という性質がある。 |
④記憶装置の構成
記憶装置は、階層構造になっている小容量は高速のキャッシュメモリがCPUの側に配置され、CPUから遠くなるに従って、大容量の記憶装置が配置される。CPUがハードディスクにある内容にアクセスする場合、まず、その内容をメインメモリに読み込んだ後、CPUがアクセスするようになっている。CPUが必要とするデータがキャッシュメモリに存在している場合は、メインメモリでは無くキャッシュメモリから読み込む事になる。
⑤仮想記憶
CPUが何らかの処理を行う為には、必要なプログラムやデータをメインメモリから読み取る必要がある。しかし、大きいプログラムを実行する時や同時に複数のプログラムを実行するときは、メインメモリの容量が不足してしまう。これを解決する為、補助記憶装置であるハードディスクの一部をメインメモリの代わりに利用する。このように、ハードディスク上に作られた仮想的なメモリ領域を仮想記憶という。
■入出力装置およびインターフェース
①入力装置
ア)キーボード |
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コンピュータの操作全般に用いられる入力装置で、特に文字入力に利用される。 |
イ)マウス |
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GUI環境において、カーソルを操作する事により、各種の命令を実行する為に利用される。ポインティングデバイスの一種である。 |
ウ)タッチパッド |
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多くのノートパソコンに利用されている。 |
エ)タッチパネル |
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画面上の表示を触る事によって機器を操作する入力装置。ATMなど。 |
オ)スキャナ |
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紙から文字などを読み終わって、データとしてパソコンに転送する装置。光学的に読み取って識別し、文字データに変換して入力できる装置をORCという。フラットヘッドスキャナやハンディスキャナなどもある。 |
②出力装置
ア)ディスプレイ |
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画面で表示する装置。RGBという色の表現法が用いられており、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の3つの原色で色を表わす。 |
イ)プリンタ |
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印刷する装置。インパクト方式とノンインパクト方式がある。ノンインパクト方式には、インクジェットプリンタ、レーザープリンタがあり、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4種類からなるCMYKという色の表現法が用いられる。 |
③インターフェース・・・情報のやりとりを仲介するもの
ハードディスクにおけるインターフェースは、複数の装置を接続して通信する際の規約を指しており、具体的にはコネクタの形状や電気信号の形式などが定められている。
ア)シリアル伝送インターフェース | |
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USB | 現在の企画は、USB2.0.USB1.0のデータ転送速度は12Mbpsであったのに対し、USB2.0では、最高480Mbpsというデータ転送速度である。また、単に接続するだけでOSが機器の接続を検出して利用可能にするプラグ・アンド・プレイや機器を動作中に抜き差し出来るホットプラグという機能を備えている。 |
RS-232C | パソコン本体とプリンタ、モデム、スキャナなどの周辺機器を接続する際に使われる規格の一つである。D-sub25ピンやD-sub9ピンのコネクタが使われる。 |
IEEE1394 | IEEE1394とは、PCの周辺機器だけではなく、デジカメなどのデジタル機器同士の接続も可能にした企画で63台まで接続できる。 |
イ)パラレル伝送インターフェース | |
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SCSI | アメリカ規格協会により規格化されたハードディスクなどの記憶装置を接続してデータ転送を行う為の規格である。 |
セントロニクス | Centronics Data Computer社が開発した使用であり、規格化されたわけではないが、多くのプリンタメーカーが仕様を採用した為、業界標準となった。8ビットずつデータを平行に転送する。 |
IDE | パソコンと内臓ハードディスクを接続する方式のひとつで、1本のケーブルで2台までの機器を接続できる。パラレルATAとも呼ばれる。 |
ウ)無線インターフェース | |
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IrDA | 赤外線を利用した近距離のデータ通信を行う為の規格である。30cm~1mだが障害物があると利用できない。ノートPCや携帯電話など。 |
IEEE802.11 | IEEE(アメリカ電子電気学会)の802委員会内にある複数グループのうち、11番目のグループが定めた無線LANの標準規格群である。 |
ブルートゥース | ノートPCやPDA、携帯電話などを無線で接続し、音声やデータをやり取りする為の規格である。10mであれば、障害物があっても利用できる。ワイヤレスキーボードやワイヤレスヘッドホンなど。 |
■コンピュータによる処理
■情報処理の単位
①ビットとバイト
コンピュータが扱う最小単位の事をビットという。2進数で「0」と「1」で表わされる。8ビット単位を1バイトという。
②数値単位
1024 バイト ⇒ 1キロバイト
1024キロバイト ⇒ 1メガバイト
1024メガバイト ⇒ 1ギガバイト
1024ギガバイト ⇒ 1テラバイト
■ハードウェアの処理能力
①MIPS
コンピュータの処理速度を表わす単位。1MIPSのコンピュータは、1秒に100万回の命令を処理できる。
②FLOPS
1秒間に1回の浮動小数点数演算が出来るという事。科学技術計算やシミュレーションを行うスーパーコンピュータ算の性能を表わす際に用いられる。
③Hz
回路が処理の同期をとるために用いる信号が1秒間に何回発生させられるかを示す単位である。クロック周波数が高ければ処理能力が高いという事になる。
④bps
データ転送速度を表わす単位であり、1秒間に何ビットのデータを転送できるかを示す。
⑤dpi
1インチあたりにどれだけのドット数で画面等が構成されているかを表す単位で、ディスプレイやプリンタのきめ細かくきれいに表示や印刷が出来る度合いを示す際に用いられる。
⑥rpm
1分間に何回転するかを表す単位である。ハードディスクなどの記憶装置がディスクを1分間に何回転させて読み書きを行うかを表す際に用いられている。
■高速化の仕組み
①キャッシュメモリ
CPUは、非常に高速な処理を行う為、メインメモリから次々とデータを読み込む必要がある。しかし、CPUからメインメモリのアクセスが、CPU内の処理速度に追いつかなくなる為、CPUとメインメモリとの間に高速に伝送可能なキャッシュメモリが置かれている。キャッシュメモリは、メインメモリのデータの一部を一時的に記憶し、CPUから低速なメインメモリへのアクセスを減らして処理を高速化する。
②ディスクキャッシュ
使用頻度の高いデータをメインメモリなどに保存しておくことで、CPUからデータの読み出し要求があった時に低速なハードディスクからデータを読み込む必要をなくし、読み込み速度を向上させる仕組み。
③パイプライン制御方式
CPUが命令を実行する手順は、大きくフュッチ、デコード、実行、ライトバックという4つの基本工程から成り立っている。1つの命令が処理されてから次の処理に移る方式だと、1個の命令を実行している間、常に一つの工程を担当する回路しか動作していない事になる。パイプライン制御方式は、流れ作業で複数の命令を同時に実行し、回路の効率を高めるものである。
④マルチプロセッサ
1つのコンピュータ(マザーボード)に複数のプロセッサ(CPU)を搭載する事である。複数のプロセッサで分担して処理する事より、処理性能を向上させる事が出来る。
⑤マルチュア
1つのCPUパッケージに複数のCPUコアを収める事である。CPUパッケージ内にCPUコアが2つあるものをデュアルコアCPU、4つあるものをクアッドコアCPUという。
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