メニュー

好きな人がいるなら





【早い者勝ち!】 あなたのお名前、残ってる?

消費者理論

■完全競争市場の定義

■完全競争市場の前提

取引主体の多数性
生産者と消費者を取引主体と呼ぶが、これらが多数存在し、かつ一人ひとりの生産量や購買量は、市場に影響を与えるほど大きくないという前提を置く。生産者側にも消費者側にも価格決定権を持つような市場に影響力のある取引主体は存在しない。
また、供給量と需要量で価格が決定する。市場で決定した価格を受け入れる事しかできない取引主体の事をプライステイカー(価格受容者)という。

取引コストがゼロ
取引にかかるコストや時間がゼロであるという前提を置く。日本でもアメリカでも送料や時間はかからない。卸売業者や小売業者もなく生産者と消費者しか存在しない。参入コストや退出コストもかからない。

情報の完全性
すべての情報が市場関係者にタイムラグなしに行き渡るという前提を置く。価格や品質などをすべて把握できる。

財・サービスの同質性
財(製品)やサービスに差別化要素は全くなく、同じものであるという前提

※完全競争市場とは、価格のみで取引を考察する市場である。

■完全競争市場の価格決定

①価格決定者が存在せず、②取引にかかわる費用や時間が存在せず、③すべての情報を取引主体全員が持っており、④すべての製品やサービスが同質化しているものであれば、その製品の購入意思は価格によってのみ決定する。
また、差別化が不可能で、価格情報も行き渡り取引コストもかからない為、同じ財やサービスは同じ価格になると考えられる。これを一物一価という。

■消費者の効用最大化仮説

■効用最大化仮説

効用最大化仮説とは、消費者行動の前提となる概念であり、「消費者は予算制約の範囲内で、効用を最大化するように行動する」という仮説である。効用(Utility:U)とは「満足度」の事を表わす。また、予算制約とは、平たくいえば、財布の中の金額。予算制約は、消費者の所得や財の価格によって変化する。

■効用曲線と限界効用逓減の法則

消費者が財を1種類しか消費しない場合は、原則として「財を消費するほど、効用は高くなっていく」と考える。仮にビールとすれば、飲めば飲むほど満足度が高くなるという事であり、いくらでも飲めると経済学では考える。ただし、消費量に対する効用は比例せず、消費量が1単位増えた時の増加分は、消費量の増加に伴って逓減していく。これを限界効用逓減の法則という。
限界効用(Marginal Utility:MU)とは、消費量が1単位増えた時の効用の増加分である。
経済学では、「限界(Marginal)」という語句が数多く登場するが、これは「ある量が1単位増えた時の何かの増加分」の事であり「瞬間値」と考える事も出来る。グラフでは、「接線の傾きの大きさ」で表わされるため、数式では「微分値」となる。傾きの大きさとは、「縦軸の値÷横軸の値」の事であり、右上がりの傾きはプラスで表わされ、右下がりの傾きの場合にはマイナスで表わされる。一般に財の消費量が多くなればなるほど、その財に対する希少性は少なくなるので限界効用は逓減していく。

■無差別曲線と限界代替率

消費者が予算制約の中で2種類の財を選択して消費する場合を考える。2種類の財を消費する場合も「どちらの財も消費するほど効用は高まっていくが、財の消費量が多くなるにつれてそれぞれの財の希少性は逓減する」とし、また2財の間には代替性があると仮定する。代替性とは「一方の財の効用を他方の財の効用で代替できる性質」の事である。2財の消費量をグラフにすると右下がりの曲線になるが、この曲線を無差別曲線という。無差別曲線は、同じ効用水準となる。2財の消費量の組合せを繋ぎ合わせた曲線の事であり、複数描かれる。

通常の無差別曲線の特徴
①右下がりの曲線である。
 2財の代替性を仮定している為である。
②原点に対して凸型である。
 それぞれの財の希少性を仮定している為である。1つの財の減少量以上に別の財の消費量を増加させなければ、同じ満足度にはならない。
③右上方になるほど効用は高くなる。
 財を消費するほど、効用は高くなっていくと考えているからである。
④無差別曲線は決して交わらない。
 無差別曲線に推移律が成立している為である。推移律とは、「A>BかつB>Cなら、A>Cが成立する」事をいう。

※特別な無差別曲線では、①~③が成立しないものがある。

■最適消費点

一定の予算制約下で2種類の財を選択消費する場合、一定の予算制約下で最大の効用となる財の消費量の組合せ地点の事を最適消費点という。予算制約線とは、右下がりの直線で表わされる予算の限界線の事であり、原点から予算制約線の範囲までの三角形を購買可能集合という。

■限界代替率

無差別曲線の接線の傾きの大きさの事を「限界代替率:MRS」という。限界代替率は、X財の消費量が増加するに従って逓減する。これを、限界代替率逓減の法則という。また、予算制約線の傾きの大きさは「2財の価格比」で示される。通常の無差別曲線の場合、最適消費点では、予算制約線と無差別曲線が接しており、「限界代替率=2財の価格比」という関係が成立する。

■特殊な無差別曲線と最適消費点の関係

L字型の無差別曲線(例:ボルトとナット)
ボルトとナットのようにセットになってはじめて効用を生むような2財の組合せの場合、無差別曲線は、L字型になる。

原点に対して凹型の無差別曲線(例:ワードと一太郎)
ワードと一太郎のように、どちらかの財を集中して消費する方が効用が高くなる場合、無差別曲線の形状は原点に対して凹型になる。最適消費点は、X軸Y軸状になる。これをコーナー均衡という。

直線の無差別曲線(例:1000円札と5000円札)
1000円札5枚と5000円札1枚は、完全に同じ価値である為、一方の財に対する希少性は発生せず、等価交換が行われる。この2財の組合せの事を「完全な代替性」といい、無差別曲線は、直線となる。最適消費点はどちらかの軸上になる。

円状の無差別曲線(例:調合薬AとB)
2つの薬を適切な量で消費すると効用が最大化し、どちらかが少し多くても、少し少なくても効用が低下していってしまうような場合、無差別曲線の形状は円形になる。予算制約線が中心を越えていれば、最適消費点は中心となる。

■弾力性と財の種類

■弾力性

弾力性とは、ある変数の変化率に対するもう一つの変数の変化率の事である。例えば「XのY弾力性」という場合、Yの変化率に対するXの変化率がその値になる。
変化率とは、「ある変数の変化の増減分÷ある変数のもとの値」の事をいう。

200円のものを20円値上げした場合
(220-200)÷ 200 = 10%
200円のものを10円値下げした場合
(190-200)÷ 200 = -5%

経済学では、弾力性の違いによって財の種類を区別しており「需要の所得弾力性」「需要の交差弾力性」「需要の価格弾力性」という3つの弾力性でそれぞれ財の種類を区別している。

需要の所得弾力性(η)イータ
消費者の所得の変化率に対する需要量の変化率の事をいう。ηで表わす場合が多い。

需要の所得弾力性(η)= 需要量の変化率 ÷ 所得の変化率
消費者所得が年収 400万円 ⇒ 440万円 に増加
テレビ年間需要量 100万台 ⇒ 120万台 に増加
 ⇒それぞれの変化率は、
  (440万 - 400万) ÷ 400万 = 10%
  (120万 - 100万) ÷ 100万 = 20%
 ・・・ 20% ÷ 10% = 2 ・・・需要の所得弾力性(η)=2
このように需要の価格弾力性は、プラスになる場合が多い。しかし、需要の所得弾力性がゼロやマイナスになる場合もある。
上級財 需要の所得弾力性がプラスの値になる財の事。正常財ともいう。ほとんどの財は、上級財(正常財)となる。
中級財 需要の所得弾力性がゼロになる財の事。中立財ともいう。中級財の場合、所得が増加しても消費量は変化しない。
下級財 需要の所得弾力性がマイナスの値になる財の事。劣等財ともいう。下級財の場合、消費者の所得が増加すると、その財の消費量は逆に減少する。例えば、ウチワを使っていた消費者がクーラーを買う等の場合、ウチワは下級財となる。
なお、上級財は奢侈財と必需財の2つに分ける場合もある。
奢侈財 需要の所得弾力性が1を超える財の事。贅沢品ともいう。
必需財 需要の所得弾力性が0~1の値になる財の事。必需品ともいう。

需要の交差弾力性(εXY)ε:イプシロン
ある財(Y財)の価格の変化率に対するもう一方の財(X財)の需要量の変化率の事をいい、εXYで表わす場合が多い。

需要の交差弾力性(εXY)= 財Xの需要量の変化率 ÷ 財Yの価格の変化率
東京~新大阪間の新幹線往復価格 30,000円 ⇒ 31,500円 に値上げ
東京~新大阪間の飛行機の利用回数 100万回 ⇒ 120万回 に増加
 ⇒それぞれの変化率は、
  (31,500円 - 30,000円) ÷ 30,000円 = 5%
  (120万回 - 100万回) ÷ 100万回 = 20%
 ・・・ 20% ÷ 5% = 4 ・・・需要の交差弾力性(εXY)= 4
代替財 需要の交差弾力性がプラスになる2財の関係。互いが代替関係にある。
独立財 需要の交差弾力性がゼロの値になる2財の関係。まったく関係がない。煙草と飴など。喫煙者にとっては、代替材であるが、非喫煙者にとっては独立財である。
補完財 需要の交差弾力性がマイナスの値になる2財の関係。互いが補完関係にある。

需要の価格弾力性(ε)ε:イプシロン
ある財の価格の変化率に対する需要量の変化率のことをいい、ε(イプシロン)で表わす。

需要の交差弾力性(εXY)= 財Xの需要量の変化率 ÷ 財Yの価格の変化率
東京~新大阪間の新幹線往復価格 30,000円 ⇒ 31,500円 に値上げ
利用券             100万回 ⇒ 80万回 に減少
 ⇒それぞれの変化率は、
  (31,500円 - 30,000円) ÷ 30,000円 = 5%
  (80万回  - 100万回) ÷ 100万回  = -20%
 ・・・ -(-20% ÷ 5% = 4 ・・・需要の交差弾力性(εXY)= 4
※最初にマイナス(-)を付ける
通常の財 通常の価格弾力性がプラスの値になる財の事。ほとんどの財は、価格が上昇すれば需要量が減少する。需要曲線は右下がりとなる。
ギッフェン財 需要の価格弾力性がマイナスの値になる財の事。ギッフェン財は、価格が上昇すれば需要量が増加し、価格が低下すれば価格が減少する。需要曲線は右上がりの曲線となる。ただし、実際の財としての例はほとんどない。下級財の一種である。

■代替効果と所得効果

■代替効果と所得効果とは

代替効果
2財の相対価格の変化による消費量の変化の事である。例えば、X財の価格が低下した場合、Y財の価格が変化していないにもかかわらず、高くなったと感じてしまう。これが相対価格である。X財の相対価格が下落し、消費量は増加する。Y財は相対価格が上昇し、消費量は減少する。これが代替効果である。

所得効果
ある財の価格変化による実質所得の変化によって、消費量が変化する事である。例えば、X財の価格が低下した場合、消費者の所得に変化がなくても価格が下がった分だけ実質的な所得は増えており、その財が上級財ならより多くの消費が出来る。これが所得効果である。

■代替効果と所得効果による消費量の変化

代替効果では、財の相対価格が下落すれば、必ずその財の消費量は増加する。

所得効果では、
 ・上級財の場合、実質所得が増加すれば消費量も増加する。
 ・下級財の場合、実質所得が増加すれば消費量は減少する。
 ・中級財の場合、変化しない。

代替効果と所得効果を合わせた価格効果(全部効果)
価格効果とは、ある財に対する代替効果と所得効果を合わせたすべての効果合計のことをいう。
  価格効果 = 代替効果 + 所得効果

ギッフェン財
ギッフェン財とは、経済学者のギッフェンが提唱した概念的な財であり、所得効果が代替効果よりも強く働く下級財の事をいう。

■リスク行動

■リスクに対する行動の違い

リスク回避者
リスクが低くリターンが増加する事を好む。ローリスクハイリターン

リスク愛好者
リスクとリターンが増加する事を好む。ハイリスクハイリターン

リスク中立者
リスクに興味がなくリターンのみに反応する人。ハイリターン

例)50万円の投資で50%の確率で100万円になり50%の確率で0円になる場合
 ⇒リスク回避者は投資しない。
 ⇒リスク愛好者は投資する。
 ⇒リスク中立者は不明。
経済学では、リスク不確実性を区別している。
リスク・・・将来起こる事の発生確率が予測されている場合
不確実性・・何がどの程度の確率で起こるのかさえ予測できない場合


【裏ワザ】覚えやすいメールアドレスでEメール上級者の仲間入り!