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市場の失敗

■市場の失敗

完全競争市場の条件下では、パレート効率的な資源配分がなされ、社会的厚生が最大化する。
「完全競争市場の条件下にもかかわらず、効率的な資源配分が行われない場合の事を市場の失敗といい、①外部効果、②公共財、③費用逓減産業、の3つが挙げられる。また、④情報の非対称性を含めて市場の失敗を考える。

■外部効果

■外部効果

外部効果(外部性)とは、市場を介さない経済効果の事をいう。自由席で料金が一律の映画館では、中央の座席から席が埋まっていく。このように観客にとって料金(市場取引)に反映されない有利な状況や不利な状況が発生する事を「外部効果の発生」という。

外部経済 社会に対して正の(有利な・便益)効果を与える。
外部不経済 社会に対して負の(不利な・費用)効果を与える。

当事者間で外部要因を解決する事を「外部効果の内部化」という。

生産者が費用負担をする事⇒私的限界費用=PMC
社会が費用負担をする事⇒社会的限界費用=SMC

外部経済 = PMC > SMC
外部不経済  = PMC < SMC

■外部効果の問題と解決策

外部効果は、外部経済・外部不経済ともに社会に対して問題を発生させる。

外部経済の問題と解決策
外部経済は、PMC>SMCなので、この状態を放っておけば、だれも研究開発を行わなくなる。従ってPMC=SMCとなるように政府が補助金を交付する。外部経済が発生している場合は、自由経済に任せているよりも政府が介入した方が社会的余剰は大きくなる。
自由経済の失敗 = 市場の失敗

外部不経済の問題と解決策
外部不経済は、PMC<SMCなので、この状態を放っておけば、生産者は公害やCO2を排出し続ける。従ってPMC=SMCとなるように課税などを行う。これらの税の事をピグー税という。外部不経済が発生している場合も、政府が介入した方が社会的余剰は大きくなる。

■コースの定理

コースの定理とは、「権利が明確に規定され、その実現や再設定の為の取引費用がゼロであるならば、だれに権利を配分しても常に資源配分は最適化される」という定理。
コースは、外部性の問題を外部性の内部化、もしくは外部性そのものの削減を行う事によってパレート最適を達成する事を示した。

■公共財

■公共財の定義

公共財とは、消費の非競合性と非排除性という2つの特徴を持つ財(サービス)の事。公園や道路、灯台、警察、消防、NHKなど。

消費の非競合性 複数の消費者が財やサービスを同時に消費出来る事をいう。
消費の非排除性 財・サービスの消費にあたって、対価を支払わない消費者が存在してもこれを排除する事が難しい事をいう。

■公共財の問題点と解決策

公共財の問題は、非排除性の問題から「フリーライダー(ただ乗り)」が発生してしまう事である。

■費用逓減産業

■費用逓減産業の定義

費用逓減産業とは、規模の経済性が働く産業である。電気、ガス、鉄道などで、生産を1社に独占させる方が社会的なコストが逓減する為、政府が独占を認める。

■費用逓減産業の問題と解決策

生産者が独占のため非競争的になりやすい為、政府は独占を認めると同時に価格規制や料金設定などを行う事になる。

■費用逓減産業の価格規制

限界費用価格規制
需要曲線Dと供給曲線S(限界費用曲線MC)の交点で生産量Xと価格Pを決定する。
社会的余剰は最大化するが、生産者は赤字となり補てんが必要になる。

平均費用価格規制
需要曲線Dと平均費用ACの交点で生産者Xと価格Pを決定する。
生産者に赤字は発生しないが、死荷重が発生する。

■公共料金の料金設定

総括原価方式(フルコスト方式、公式報酬方式)
  総括原価=営業費+減価償却費+税金+事業報酬
日本の公共財・サービス事業に多く取り入れられているが、競争が図られにくく、事業者のインセンティブもつきにくい為、効率化が図られにくい。

プライスキャップ方式(上限価格規制、天井価格規制)
一定の基準に基づき料金水準の上限を設定し、事業者に対して当該上限の範囲内での価格決定・変更を自由に行わせる方式。電気通信業など、。

セードスティック方式
民間鉄道事業など。同一産業内であっても、地域毎の独占などで直接的な競争が起きにくい場合、意図的に競争を促進させる。

■情報の非対称性

■情報の非対称性の定義

情報の非対称性とは、一方の取引主体は深い知識を持っているが、もう一方の取引主体は、ほとんど情報を持たない事をいう。「逆選択」と「モラルハザード」の2つがある。

■逆選択の問題と解決策

逆選択とは、品質に対する情報の非対称性が存在する場合、市場において品質の良い製品が駆逐され、品質の悪い製品だけが供給されてしまう状態の事である。
逆選択の解決策は、第三者格付けによる品質保証やフランチャイズによる品質均一化がある。

■モラルハザード(道徳的危険)の問題と解決策

モラルハザード(道徳的危険)とは、取引契約後の一方の取引主体の行動をもう一方が事前に認知できない状態の事をいう。取引主体の利害関係を一致させる事がモラルハザードの解決策となる。自動車保険の免責制度や無事故継続割引など。


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