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財・サービス市場

■45度線モデル(財・サービス市場の均衡モデル)

■ケインズ派と新古典派

ケインズ派
短期における賃金の下方硬直性(賃金は短期的に下落調整する事が難しいという性質)を説き、これを是正する為には国による支援が必要であると考える。ケインズ派では市場均衡において主に短期の均衡を前提とし、国の介入が必要との立場をとり、需要量が市場均衡を決定する(ディマンドサイド)という有効需要の原理を前提としている。また、金融市場においては、流動性選好理論を前提とする。

新古典派
新古典派は、主に長期における価格による市場均衡を前提とし国の介入は必要なく市場は自由競争に任せるべきとの立場をとり、供給量と価格が市場均衡を決定する(サプライサイド)と考える。これをセイの法則という。また、貨幣供給量が物価を決定するという貨幣数量説(マネタリズム)を前提とする。

■45度線の成り立ち

45度線モデルとは、財・サービス市場における需要と供給の均衡過程を表わしたモデルである。

総供給曲線:Ys
総供給曲線Ysは、常に国民所得Yと等しくなる。これは、「生産された付加価値は必ず企業内か家計か政府に分配される」と考えるためである。従ってYs=Yとなり右上がり45度の直線となる。

総需要曲線:Yd
総需要曲線Ydは、「Yd=C+I+G+NX」となる。ケインズは、消費Cを固定的消費と変動的消費に分けて考えている。ケインズ型消費関数
 消費C=基礎消費Co+限界消費性向 ×(国民所得Y-租税T)

基礎消費
基礎消費Coとは、所得の上昇・下降に関係なく、一定の固定費として支払わなければならない消費の事であり、所得がゼロであっても生活をしていく上で必要な消費
限界消費性向と限界貯蓄性向
限界消費性向Cとは、所得Yが普段のより、増加した際そのうち消費に充てられる額の割合の事をいう。C÷Yで0<C<1となる。また、Yが増加した際、貯蓄に充てられる額の割合を限界貯蓄性向Sという。0<S<1となる。 C+S=1となる。
可処分所得と租税
国民所得Y-租税Tの事を可処分所得という。租税Tは、直接税である。

■45度線モデルと有効需要の原理

有効需要の原理とは、価格硬直性がある市場では、縦需要Ydに対して、総供給量Ysが需要量に合わせて数量調整される為、総需要Ydの水準が均衡国民所得Yを決定づけると考える理論である。

完全雇用国民所得 働きたいと思う者が全員職についている状態の所得水準

需要を押し上げるための総需要管理政策(一般に経済政策)の必要性をケインズは訴えた。政府の行う財政政策金融政策とに分けられる。

■完全競争市場の前提

総需要曲線Ydの切片の押し上げ

①基礎消費Coの増額
最低限度の生活をしていくために必要な消費なので、これを国の力で増額させる事は困難。
②租税Tの減額
減税。財政赤字の問題を無視すれば一定の効果がある。
③投資Iの増額
民間企業の設備投資を指す。市場金利を引き下げる。
企業は設備投資に対して、内部収益率IRR>金利rとなれば投資を行う。投資の限界効率理論と呼ぶ。
④政府支出の増額
公共投資の増額であり、財政政策の一つで一定の効果がある。
⑤純輸出の増額
貿易摩擦の問題にも関係するので困難である。

総需要曲線Ydの傾きを大きくする

限界消費性向Cの増加
家計や消費意欲が高まれば、限界消費性向Cは増加するが、消費意欲の問題なので政府が消費を訴える事は困難である。ケインズは、「消費は美徳である」と述べた。

以上のように国が総需要を高める為に行える経済政策は、政府による減税や公共投資額等の拡張的財政政策と、日銀による市場金利の引き下げなどの金融緩和政策が考えられる。

■自動安定装置(ビルトインスタビライザー)

景気調整を目的として、政府が意図的に政府支出や租税収入の変更を行う事を裁量的な財政政策と言うが、そもそも財政には自動的に景気を安定させる機能が含まれている。所得税や法人税を不景気時に減少させたり、好景気時に増額したりするなど。このように、不況時には景気促進効果を、好況時には景気抑制効果を持つ財政の仕組みの事を自動安定装置(ビルトインスタビライザー)という。

■ギャップと乗数

■政策効果とギャップ・乗数の関係

財政政策の金額の事をギャップといい、政策効果等の経済波及効果を計算する為の係数の事を乗数と言う。

■デフレギャップとインフレギャップ

デフレギャップ
デフレギャップ時は失業率が発生しているため、政府は景気拡大策(需要喚起策)をとる必要があるが、この場合には、デフレギャップの大きさに相当する政府支出Gの増額を行う事で、経済波及効果によって、その数倍分の国民所得Yが増額する為、YとYfは一致する。なお、減税策の場合は、ギャップ分の金額以上の減税を行わなければ、YとYfは一致しない。効果は、T×限界消費性向Cを乗じた大きさになってしまうから。

インフレギャップ
インフレギャップ時は、生産がフル稼働しており、これ以上の生産は不可能なのでYf以上の水準に生産量の増加は起きず、その代わり価格が上昇しインフレになる。この状態を解消するには、政府は景気抑制策(需要減少策)をとる必要がある。例えば、政府支出Gをインフレギャップ分減額する。なお、増税政策の場合は、デフレギャップ時と同様ギャップ分以上の増額が必要である。

■経済波及効果と乗数理論

経済波及効果とは、いわゆる経済効果の事である。乗数という概念が必要だが、乗数とは「ある変数が1単位増加した時、均衡国民所得が何倍増加するのか」を表わしたものである。

基本乗数
投資乗数政府支出乗数などは、いずれも『1/1-C 』となる。
租税乗数『-C/1-C 』となる。
このように乗数の大きさは、限界消費性向Cの大きさに依存する。つまり、消費性向の高い国ほど、経済波及効果は高くなる。
なお、租税乗数に対する減税乗数は、『C/1-C 』となる。(マイナスを消す)

応用乗数(所得依存租税および所得依存輸入)
所得依存租税とは、租税Tを実数でなく、T=t×Yで考える事。(t=限界租税)この場合、投資乗数や政府支出乗数は、『1/1-c(1-t)』となる。また、所得依存輸入とは、輸入IMをIM=mxYで考える事である。この場合、投資乗数や政府支出乗数は、『1/1-c+m』となる。
以上より、もっとも複雑な場合、『1/1-c(1-t)+m』となる。

均衡予算乗数定理
均衡予算乗数定理とは、所得依存租税や所得依存輸入を考慮しない基本乗数の場合、政府支出Gを同額の増税Tで補った場合、国民所得Yも丁度1倍だけ増加し、G=T=Yとなる定理の事。政府支出の増加分Gと同額の増税Tを行えば政府の財政は悪化せずにすむ。これを均衡予算という。国民所得Yは、変化しないと思いがちであるが政府支出乗数と租税乗数は違う為、国民所得は増加する。
 Y=Gの増加分だけ(Tの増加分だけ)増加する。

■ディマンドサイド政策の限界とサプライサイド政策の台頭

■ディマンドサイド政策(ケインズ派政策)の限界

ディマンドサイド政策
景気が悪い時には、政府の公共投資によって需要を喚起し、失業をなくそうとする「需要喚起政策」の事。しかし、この方法は基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字化から赤字国債の乱発を招き、財政政策を行き詰らせてしまいかねない。

■サプライサイド政策(新古典派政策)の台頭

サプライサイド政策
企業競争政策の事であり、市場と自由化し、供給側を競争させ、低い売上でも利益が生まれるような低コスト高効率の「足腰の強い企業」を育てようとする、新古典派による政策の事である。この政策の欠点は、「景気回復に時間がかかる事」である。


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