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生産者理論

■生産者の利潤最大化仮説

■利潤最大化仮説

利潤最大化仮説は、生産者行動の前提となる概念であり「生産者は利潤を最大化するように行動する」という仮説である。

利 潤 (π)= 総収入(TR) -  総費用(TC)
総収入(TR)= 価格(P)   ×  生産量(X)
総費用(TC)= 可変費用(VC)+  固定費用(FC)

完全競争市場における利潤最大化仮説の結論
 生産者は、利潤が最大化する地点に生産量を決めようとする。

■総収入TR


完全競争市場では、市場でいったん決定された価格は、生産量の増加によって変化する事は無い為、「直線」となる。

■総費用TC


平均費用AC = 総費用TC ÷ 生産量X
 生産量が増加するにつれて総費用TCが増加している。重要な事は、「一般に総費用TCは生産量Xに対する3次元で表わされる」事である。財務・会計で利益管理では、「直線」であったが、経済学では、可変費用が財務・会計と違い、3次元で表わされる。生産量Xの増加とともにまず逓減し、その後逓増に転じる。また、生産量がXの時、総費用TCの大きさは垂直線の長さで表わされ、固定費用と可変費用に分けられる。
総費用TC = 平均費用AC × 生産量X

■利潤最大化行動の結論


利益が発生する生産量は、TRがTCより上にあるX1からX2の間となる。
利潤が最も大きくなる地点は、TRとTCの間の垂直幅が最も大きくなる点のXである。
X地点TCの接線(緑線)とTRの接線(赤線)が平行になる(傾きが同じ)。
緑線の傾きの大きさを限界費用:MCという。
赤線の傾きの大きさを限界収入:MRという。

生産者は、限界費用MC=限界収入MRとなるように生産量Xを決める。従ってMC=MR=Pが完全競争市場における生産者の利潤最大化行動の結論である。

■損益分岐点と操業停止点

■損益分岐点

生産者は、利潤最大化条件である「価格P=限界費用MC」に従って生産量Xを決定する。価格Pが低下した場合、生産量にできるのは、「価格P=限界費用MC」となるように生産量Xを調整する。価格Pが平均費用ACと等しくなった時、利潤πは発生しない。この様なTR=TCとなり、利潤πがゼロになる点を損益分岐点という。
損益分岐点 = 総収入TR = 総費用TC = 価格P = 平均費用AC

■操業停止点

操業停止点とは、総収入TR=可変費用VCとなり、財務・会計でいう限界利益がゼロになる地点の事である。生産者は、価格Pが損益分岐点を下回る水準になっても、操業停止点を上回る価格であれば生産をやめない。

■生産者の供給曲線

生産者は、利潤最大化条件によって価格Pと限界費用MCを一致させるように生産量Xを決める。従って操業停止線より、この限界費用曲線MCは、価格Pによって決定された企業の生産量Xを表わしている事になる。これをその企業の供給曲線Sといい右上がりの曲線で示される。

■長期の均衡

■短期と長期

経済学では、特に断りを入れない場合は、「短期」を想定している。「長期」とは、参入や退出が活発に行われ、価格も一時的ではなく長期的な均衡になる期間と考えている。

①参入や退出が多数行われる。少しでも利潤が出ている産業には参入が相次ぎ、少しでも赤字が発生している産業では、退出が相次ぐ。
②短期では、生産者一人の生産量は市場価格に影響しない前提だったが、長期の場合は、参入者が多ければ価格は下落し、退出者が多ければ価格は上昇する。
③長期とは、固定費用が可変費用となる期間と考えられる。固定費は存在しなくなる。

■長期の均衡

長期では、固定費用の概念が無くなる為、平均費用AC=平均可変費用AVCとなる
価格Pは、平均費用ACと同じ水準(損益分岐点)に決まっている。価格Pが高ければ利潤πを求めて参入者が相次ぎ、結果として損益分岐点の水準まで下落してしまうからである。低い場合はその逆である。これらの結果、長期の均衡価格Pは、損益分岐点で均衡する。

■生産者のその他の理論

■生産要素と投入量の関係

生産者理論では、2つの生産要素を用いて財を生産すると想定している。
 2つの生産要素:資本(キカイ)と労働(ヒト)
人件費が高ければ機械で生産し、機械が高ければ人で生産できるという代替性があると考えられている。

最適生産点と等産出量曲線
生産者は、限られた費用つまり費用を最小化して、生産量を最大化しようとする。この費用最小化の地点を最適生産点という。生産者が持つ、等費用線(消費者行動でいう予算制約線)の中で最大の産出量を生み出そうとする。産出量は、通常の無差別曲線と同様の考え方で曲線を描くことが出来る。これを等算出曲線(又は、等量曲線)という。右上に行くほど算出量が多い。
従って、消費者理論と同様に最適生産点は、等費用線と等産出曲線の接点で決定し、2つの生産要素の価格費と等産出量曲線の接線の傾きの大きさに等しくなる。

■規模の経済と範囲の経済性

規模の経済性
生産者の売上(生産量)規模が増大するに従って、平均費用ACが逓減していく減少の事である。規模に対する収穫逓増ともいう。

①専門化のメリット
規模拡大によって、より専門化した作業組織の編成や生産規模の導入などが行える事である。
②スラック(余剰資源)の活用
いくつかの投入物に何らかの不可避な過剰資源が発生した場合でも、規模が大きければこれを利用する事が出来る。
③固定費の負担
規模の経済性の代表的な概念であり、多額の固定費について、規模の拡大によってこれを吸収し、単位当たり固定費を引き下げる事によって平均費用を低下させる事をいう。
④想定外リスクの軽減
規模が小さくなれば突発的なトラブルや確率変動に影響を受けやすくなるが、規模が大きくなると、そのような突発事項は事前に確立として予測しやすくなり、影響を最小限に抑える事が出来る。

範囲の経済性
異なる製品を同時に生産した場合の総コストが、それらを別々に生産した場合よりも低くなる事である。つまり、範囲の経済とは、シナジーによるコスト削減を考える経済概念である。

■その他の費用概念

機会原価(機会費用)
一日10万円の仕事Aと、一日3万円の仕事Bがあり、同時に行えないものとした場合、仕事Aを行った時に、仕事Bの対価である3万円が機会原価となる。

埋没原価(サンクコスト)
ガソリンスタンドを閉鎖した時に、地下タンクが転用不可能となれば、地下タンクの費用はサンクコストとなる。


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