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国民経済計算

■国民経済計算(SNA)

■国民経済計算の定義

一国経済を共通の国際基準により、系統的・組織的に把握・記録する事で、一国経済の全体像を明らかにするマクロ統計の事である。日本では、1993年に国連で採択された基準である93SNAを使用している。SNAは次の5つである。

国民所得勘定
一国経済の財・サービス(モノ)の流れ(フロー)を生産面・分配面・支出面から記録するもの。GDPの算出も行われる。

産業関連表
一国経済の財・サービス(モノ)ごとの産業間の投入と産出の構造を記録するもの。GDPが一定期間のものに対して、産業関連表はその過程をとらえるもの。

資金循環表
一国経済の部門間の資金(カネ)の流れを把握し、金融活動を記録するもの。

国民貸借対照表
一国経済の年度末における、実質資産(モノ)、金融資産(カネ)、さらに負債(カネ)を記録し、一国の正味資産(国富:純資産)の累計を記録するものである。

国際収支表
一国経済の海外との財・サービス(モノ)や資金(カネ)の取引を記録するもの。

■フローとストックの概念

フローとは、ある一定期間における経済活動の結果、生み出された価値の事をいう。財務・会計では損益計算書がフローとなる。ストックとは、ある一定時点で蓄積されている価値の累計値の事をいう。財務・会計では、貸借対照表がストックとなる。

■国民所得勘定

■国内総生産(GDP)の概念

国内総生産とは、一定期間内に国内の主に財・サービス市場で生み出された付加価値総額の事であり、一国経済を総合的に把握する統計となる。
付加価値とは、「付加価値 = 総産出額 - 中間投入額」で計算する。2004年のGDPは、510兆円。GDPの前年対比の伸び率が経済成長率となる。

■国内総生産(GDP)と国民総生産(GNP)

国内総生産(GDP)は、日本国内における生産活動を対象とする為、外国企業が日本国内で行った生産活動はGDPの対象とするが、日本企業が外国で行った生産活動は対象としない。これに対し、国民総生産(GNP)は、一定期間内に国民が主に財・サービス市場で生み出した付加価値総額の事をいう。
GNP=GDP+海外からの所得受取-海外への所得支払
GNP=GDP+海外からの純所得
日本では、GNPの方が多くなる。

■付加価値計算と三面等価原則

三面等価原則とは、「”生産“された付加価値は、すぐに”分配“され、いずれ”支出“される」と仮定する。
生産面の付加価値(Ys)=分配面の付加価値(Y)=支出面の付加価値(Yd)

生産面の付加価値(Ys:国民総生産GNP)
Ysは、前述の通り、各企業や各個人などが1年間に生み出した付加価値の総額である。各企業や個人の粗利益合計。

分配面の付加価値(Y:国民総所得GNI)
Yは、1年間の総所得総額の事をいい、国民総所得GNIと呼ばれる。なお、分配された付加価値は必ず、消費Cか貯蓄Sか租税Tに回されるという概念。
Y = 消費C + 貯蓄S + 租税T

支出面の付加価値(Yd:国民総支出GNE)
Ydは、一定期間の総支出総額の事をいい、国民総支出(GNE)と呼ばれる。Ydは支出の総額であり、以下の数式で表わされる。GDPやGNPの計算もこれをもとにしている。
Yd = 消費C + 投資I + 政府支出G + 純輸出NX

消費C いわゆる個人消費の事を指す。
投資I 民間の住宅投資や企業の設備投資を指す。なお、消費C+投資Iを一般に民需と呼ぶ。
政府支出G 政府の支出(官公需)を指す。なお、消費C+投資I+政府支出Gを一般に内需と呼ぶ。
純輸出NX 輸出EX-輸入IMの事を指し、外需とも呼ばれる。

■貯蓄・投資のバランス(ISバランス)

ISバランス とは、三面等価の原則から導かれる数式。

   Y (分配面の付加価値)=消費C+貯蓄S+租税T
   Yd(支出面の付加価値)=消費C+投資T+政府支出G+純輸出NX
   Y=Ydなので
   C+I+G+NX=C+S+T
   ISバランス⇒(S-I)=(G-T)+NX

景気が悪いときは、S-Iがプラスとなり、民間部門貯蓄超過となる。
また、G-Tがプラスの状態は租税以上に政府支出を行うので財政赤字となる。

■国民所得勘定における特殊な計算方法

GDPは、「付加価値を生んでいない経済取引や付加価値を生んでいたとしても市場での取引を経由しない場合は、国民所得勘定の計算に入れるべきではない」という考え方に基づいている。

①帰属取引は、GDPに含める。農家の自家消費や持ち家の家賃など。
②政府サービスや対家計民間非営利団体(NPO)のサービスは含める。
③主婦の家事労働はGDPに含めない。市場で取引されていないため。日曜大工や家庭菜園も含めない。
④資産売却などのキャピタルゲインはGDPに含めない。ただし、仲介手数料は含める。

■物価の概念

■名目値と実質値の違い

名目値とは、ある時点の経済指標を計測された時点の物価で評価した値である。従って名目値は、物価の影響を含めて経済をとらえる。
実質値とは、ある時点の経済指標を物価水準の変動を除外して調整される値である。従って実質値は、物価の影響を除外して経済をとらえる。

GDPの伸び率である経済成長率は、
 インフレーション時・・・名目経済成長率 > 実質経済成長率
 デフレーション時 ・・・名目経済成長率 < 実質経済成長率

■3つの物価指標と2つの計算方法

消費者物価指数
総務省が毎月発表する物価指数。消費の動きを敏感に示す物価指数であるが、生鮮食品を含んだ指数なので乱高下しやすい。

企業物価指数
日銀が毎月発表する指数。企業内で取引される財やサービスの物価を調査するもので、「国内企業物価指数」「輸出物価指数」「輸入物価指数」がある。

GDPデフレーター
内閣府が四半期ごとに発表する物価指数であり、国内の包括的な物価動向を示す指数である。GDPデフレーター=名目GDP÷実質GDPとなる。GDPデフレーターは、輸入物価の影響が直接的には、控除されるため、国内で発生した物価の動きを示すホームメイドの物価指数であり、原油や鉄鋼など輸入品が高騰してもすぐに指標には反映されない。
物価指標の計算には、スパイラル指標とパーシュ指標の2つがある。

ラスパイレス指数 CPIとCPGIの算出に使われる方式であり、比較時点と基準時点の価格を対比する際に基準時点を元にして算出する方法である。
パーシュ指数 GDPデフレーターの算出に使われる方式であり、比較時点と基準時点の価格を対比する際に比較時点を元にして算出する方法である。

■デフレーションの問題

デフレーションとは、持続的な物価下落の事をいう。

一般物価デフレの問題
一般物価が下落すると企業収益が悪化
その結果、賃金低下や失業などの問題が起きる。
そのため、家計の消費意欲が低下し、消費を先延ばしにする結果、
企業収益は更に悪化する。
 ⇒デフレスパイラル

資産デフレの問題
現有資産の実質価値の低下、及び過去負債の実質価値の増加の事。デフレ下では、企業は収益を生んでも債務の返済を優先にする為、設備投資が行われない状況となる。

■景気の概念

■景気の波

景気とは、市場における経済取引の活発な度合いの事をいう。景気が拡大していきピークを迎える事を「景気の山」、景気の後退が底を打って回復局面へと転ずる事を「景気の谷」、景気の回復が一時的に横ばいになる事を「景気の踊り場」という。
景気の循環性は、4つの要因が複合して発生する。

キチンの波(小循環もしくは在庫循環)
約40ヶ月の周期で起こる景気循環である。企業在庫の増減が景気に影響を与えると考えるものである。

ジュグラーの波(主循環もしくは設備投資循環)
約10年の周期で起こる景気循環である。企業の設備投資の増減が景気に影響を与える。

クズネッツの波(クズネッツ循環もしくは建築循環)
約20年の周期で起こる景気循環である。ビルや工場などの建築物の建て替え需要が景気に影響を与える。

コンドラチェフの波(コンドラチェフ循環)
約50年から100年の周期で起こる景気循環である。産業革命等の画期的な技術開発が景気に影響を与える。

■景気動向指数

景気動向指数とは、景気動向をみるために複数の景気指標を組合せ、総合的な景気状況の判断を行う指標の事である。

先行指数 数ヶ月先の景気動向、すなわち景気の先行きを示す。
一致指数 直近の景気動向、すなわち景気の足もとを示す。
遅行指数 数ヶ月前の景気の状態を確認する。

なお、各係数の複数の指数を組み合わせる際に、ディフュージョンインデックスとコンポジットインデックスという2つの組み合わせ方がある。

ディフュージョンインデックス
各個別指標の変化を「YesかNo」だけで判断する方法である。DIが50%を超えると景気の上昇期、50%を下回ると下降期となる。わかりやすい反面、「勢い」や「過去との比較」ができない。
コンポジットインデックス
各個別指標の「変化量」を考慮して合成する方法である。景気の山の高さや深さ、上昇や下降の勢いなどが把握可能となる。

■産業関連表

産業関連表とは、レオンチェフによって開発された投入産出分析の表の事。GDPが財・サービス市場の付加価値の「結果」を表わすのに対し、産業関連表は、中間生産物も含んだ生産物全体の流れ、つまり「過程」が分析出来る。
縦軸は「投入」、横軸は「産出」で合計はいずれもGDPとなる。


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